七月

   ぬけがらがなまあたたかくころぶなり


   生きる権利が待っていた目を覚まし


   あるべき姿に戻ってゆく小さかれ


   傷ついたと見せて言葉いぎたなき


   ワル乗りのとどめしみつく油ぜみ


   打てば響くにそのひとを遠くする


   開発と保護を並ばせ山言わず


   人そしる活字ギラギラベタ組みで


   いたずらにあがくどこかでこげた臭い


   憎たげに髪を梳くことをかまえ