1973-05-01 五月 月々の句 稚くて荒々しくも目覚めさせ 文撰の指で濡れゆく白と黒 狂わしき世の淵で見せびらかす乳房 勝ち誇るおんなにやがてめぐり来る 相手の落ち目にわが過去もかぶさった なつかしがるだけでべったり坐り いと易く言ってのけ何かさびしや 人に誇るでもなくわが道にツンとする しみじみとよごれた顔も洗う真昼 思い出し笑いもならず生きて来た