四月

   いざり火のにごれるうみにまぎれゆく


   銀鱗のひらめきと見し疑われ


   よごされて肩身の狭さ魚生きる


   あきないの鮮魚うつろに数を読み


   献立に待ったの声を今日も触れ


   うらめしい顔のいわしよお前もか


   基準量腹も身の内並べられ


   インフレをねじ伏す漢方薬が出番


   インフレへ働き蜂と罵られ


   脱社会と笠は冠らず靴は減り