一月

   誰もとがめないという大人のとまどい


   歯が抜けた想い静かな夜をおさめ


   ゼッケンの背のたかぶりを見せたがる


   遠ざかる日をかぞえ或いはさがし


   いつか酔いのなかでおちつきはらった


   政治的の声で吃ってはいないぞ


   流れる雲が問うて姿を変える


   この齢で家を建てる夢のまどろみ


   道のりを聞くおだやかさ取り澄まし


   行き着く齢を考える凝視めた顔で