1972-12-01 十二月 月々の句 ことさらに死のことを言う安けきか 雪どっと負う責めがある歩かせられ 届く手紙胸にこたえて読むならば 身のほどにうなずく唇が濡れてゆく 冬の重さがものをいう返って来る 月のほどよき欠け見てるほんとだな もろさ寄り合うひとときのおちつきよ 砕け散るみないくつかの命なり 冬の洩れ日の墓にあること足りて 寄り道をして陽は淡し石の上