十二月

   ことさらに死のことを言う安けきか


   雪どっと負う責めがある歩かせられ


   届く手紙胸にこたえて読むならば


   身のほどにうなずく唇が濡れてゆく


   冬の重さがものをいう返って来る


   月のほどよき欠け見てるほんとだな


   もろさ寄り合うひとときのおちつきよ


   砕け散るみないくつかの命なり


   冬の洩れ日の墓にあること足りて


   寄り道をして陽は淡し石の上