1972-11-01 十一月 月々の句 何故か齢を考える枕洗って 人形の目が生きてにごれるわれに触れ 届かぬ夢でよし山は雪ひろがらせ もろい野望の底に息付く髭不精 黙って坐って見ておちつくものならば あやかってゆく卑屈それをのぞかせ ついてくる人の歩みに応えねば 笑いのかげにいでたちが背をくらべ 寝もやらぬ悩みほどには行き着かず 遥かな時を見通しならず臍かくす