1972-10-01 十月 月々の句 罪がすりぬけて凱歌聞こえてくる みんないい人というその看板で 黙らせた過去のおぎない濡れた掌に 人知れぬさびしさ隠す齢なのか みんな忘れていいものかちょこなんと坐る とどまることを知らぬ振り風動く 自分を知った酔いのなかでのたうち 傷つけられた静かな自分を抱こうか 身の程をそこで拾って戻るなり 遠くで見て貰ってもいいまっすぐ歩く