九月

   登るべき山の姿をそこに横たえ


   なぜか夢見たしと思う崩れゆく


   みにくい争いを見すごしてから衝たれ


   見るからに意地悪き舌いちまいにまい


   聞きただすゆとり忘れてたと思う


   笑い納めて気がすむものならとかばい


   許せないうしろを誰かが押してやり


   思いすごしのさびしさを寝にゆくか


   もろもろのいたみ静かな夜を迎え


   見通せる位置かそけき風がたまり