八月

   にたにたとおこないすますひとに会い


   列島に住みつく粒となりおおせ


   あさはかな気取りに似たり齢のおくれ


   衣脱ぎ終えやっとおのれを見直すか


   折返しなき道なれやまことめく


   しばし憩いのうたてしともたいなし


   早き目覚めのわびしくもひとつふたつ


   隙だらけ涙ぐむひとここに坐し


   めらめらと敵意の底の火のほてり


   何故か見事にしてやられ安らぐよ