一月

   くち重たげにのがれようとはしない


   わびしさはひとりだけそれ寝にゆくぞ


   みんないい人盃を持ちながら


   貰い泣きの演技ではなしに暮れかかり


   もとをただせば親切な顔を撫ぜ 【鉛筆にてチェックの印つき】


   道草はときに涙を拭き覚え


   理屈なしに大方酔いをころがすよ


   どこを押しても身をかわす襟の正しさ


   口よごす駄菓子の気楽さにもたれ


   生きていたことにやわやわ目覚めゆく