1972-01-01 一月 月々の句 くち重たげにのがれようとはしない わびしさはひとりだけそれ寝にゆくぞ みんないい人盃を持ちながら 貰い泣きの演技ではなしに暮れかかり もとをただせば親切な顔を撫ぜ 【鉛筆にてチェックの印つき】 道草はときに涙を拭き覚え 理屈なしに大方酔いをころがすよ どこを押しても身をかわす襟の正しさ 口よごす駄菓子の気楽さにもたれ 生きていたことにやわやわ目覚めゆく