五月

   自分が応えたい道歩いてゆく


   朝顔の色でまっしぐらに目覚め


   昔を戻そうとするその胸に聞かせ


   ときに夢見るひとみ老いしばたたき


   デモの列のひのき笠花見ではない


   昆虫のいのち標本から脱け出し


   情報をすりぬけたひとつの感度


   裁判されにゆくたかぶりを許し


   世論でこしらえニタニタと笑う


   国をよくする魂胆がぶつかって