四月

   抵抗の影なき影を目の裏に


   身の程を知るかなしみがうなずかれ


   遠く死のうえの意味なき枕言葉


   にじみ出る涙わがことならずとも


   反論のなか覗かせぬ息使い


   まっとうな道ここに慎みの一列


   笑いにまぎらかし齢誰にか告げん


   勝たんともせずゆるやかな坂その坂


   たかぶりを見せながら紙幣胸にたたみ


   景気にしがみつきただならぬ眼と合い