二月

   あわれがる顔寄せつけず時が押し


   酔いに忘れてたわいなき膝たたく


   利き過ぎたしゃれをおかしてまで言わす


   もの欲しげなる愛しみが従いて来た


   顔色を読ませて読ませて影は小さくなる


   土のやわらかさに国の力が打たれ


   売名と見ぬく自分をはぐらかし


   勇み足まだ減らず口尾を垂らす


   やわやわと齢を明かせて帰りゆく


   肌の疲れの朝があるはしたなき