一月

   よその国の見聞記自分をさがす


   諺の智恵掘り起こす地震


   雲行の思惑に発つタカ派ハト派


   時ならぬ雪降らせまた金降らせ


   国を好くする反撥が競い合い


   プロレスの反則が勝つ見て終る


   金がぶら下ったまま落ちて来ぬ


   国が払うべき傷をなめ見目開き


   枕抱くうちの歴史もいじめられ


   補償待つ紙の千羽鶴が舞うよ