1970-11-01 十一月 月々の句 僥倖のすりぬけてゆく霧のゆくえ 弔花ひたすらな媚びお前も生きてる 脱ぎすてしぬくみ目にある夜の終り 冬のビールのわがままな眸がわらう いとおしくわれより先きの吐息して 肌を遠くに忘れ白き夜の果て 欲望を涸らし手錠も従いてゆく なまめかんとして恥じらいの齢に逢う 夜の素足謎めく言葉持ち合わす 老いの繰りごといま夢ぞ気休めに