十一月

   僥倖のすりぬけてゆく霧のゆくえ


   弔花ひたすらな媚びお前も生きてる


   脱ぎすてしぬくみ目にある夜の終り


   冬のビールのわがままな眸がわらう


   いとおしくわれより先きの吐息して


   肌を遠くに忘れ白き夜の果て


   欲望を涸らし手錠も従いてゆく


   なまめかんとして恥じらいの齢に逢う


   夜の素足謎めく言葉持ち合わす


   老いの繰りごといま夢ぞ気休めに