1970-08-01 八月 月々の句 またたいてくれるいのちに応えつつ 原稿料家族の贅を埋めてやる かきたてる灯のきびしさにある願い 道のりを聞かずあたたかそうな石 目覚めふと妻の寝息に触れてゆく うきあがる言葉のぞかれまいとして 静かなまなざしがある黙っていよう 握り飯頬張る老いのたしかさよ 秋はすぐそこにきらめく想いとし 打てば響かんとおのれを見廻し