1970-06-01 六月 月々の句 こともなげに造花の美しさは余り ほんものとにせものが触れ合う言葉 裸が歩いてゆくくずれそうもない 肌の疲れを思いやる老いの陽だ 青春讃歌むらがる藪蚊叩くなり かさかさと音し手を置く長い旅 糧をぶらさげてゆくほんとうの話 時計は居眠らず反対も叫ばない なつかしい顔息づまる世と思い 頑くなに負けたがらぬ顔が看板