1969-11-01 十一、十二月 月々の句 顔を洗い出直す朝のほんとらしさ 妻のいびきにふれながら落ちてゆく かいま見る箸の運びのわびしさよ のがれるように横たわる枕たしかめ ひとり寝にゆくまこと月の出がある 年の瀬の訃の極まれる生命とぞ 降る雪のよごれなく時惜しむなり ふと目覚めては至らざる齢に真向い 笑い納めて散るそのぬくもりあれや 行き着くるなしこの道にうなずく日々