九、十月

   陥穽の淵に爪立つ見せてやる


   権力の昼寝ぐずついた天気だ


   ひたす波ありそのこころわかりながら


   はしたなき行為のうえの齢を見られ


   事あれかしと待つ顔に目をつむる


   わびしくも言葉選ばせ並ぶなり


   いたらざる悔いいそいそと消えたがり


   人容るる目のまえに道つづけかし


   こと納まるみにくき肩をもう言わず


   伝わる手いぶせき軒をくぐる輩