七、八月

   さかしらに振舞わぬ瞳にすがりゆく


   雑然と世情の声に触れてやる


   闘いはつづく自分の甘い孤独


   ひとり寝にゆく齢のおかしさに馴れ


   美しきとりこ姿を変えたがる


   論評と違う意識を黙って抱く


   信じたきこの世のまことおもいつづけ


   身をかわさんとむかし馴染んだうたが浮び


   騒音のなかにこの小さき暮しを支え


   しかもなお生くべき道に佇つ想い