八月

とざされた想いを撫ぜて雨降らす

道ここにありすべてを賭けんとするか

昔語らせ花たちの静かな瞳

譲れない意地おちてゆく陽をとらえ

道草のほどよき暇のいとけなや

子の夢を抱え黙つて背伸びもす

しよぼつかせながら雑音にも傾け

負わされた荷をおろしまた歩き出す

酔いを覚まし相談がある齢と思い

立ちおくれまいと俗事のなかできらめき