七月

世にいどむけなげな雫ひとつずつ

巻き込まれまいぞ騒然と流れゆく

おちつけおちつけ騒然と道つゞかせ

涙置き忘れ騒然と働き蜂

何もかも騒然とこの月の物憂く

ほんとうに言葉をしまい眠りにゆく

貰う齢がうるさくなり寝て見せる

虫を鳴かせ意味ありげな季節ひろがる

記憶をはがしてはひとうなずく暇

行いすました顔つきがからだを拭く