十二月

ほどほどに別れの雪のしるきこと

求むべき齢ならで坐つてくれる

たしかな齢にすがらんと夕陽ひろがる

いのち短かきを誰か言う齢の思いよ

雪のかなしみに割箸のいとなけや

山は語りかける小さな帽子が歩く

口説のもどかしさつららとんがるよ

身の証し立てる星たち顔を揃え

この一瞬をとらえ容赦なき流れ

雪はこまかく降るむかし支えて