十一月

だんご口を少しよごして晴れぬ日の

味のある水ほしいという笑いながら

いさぎよく裏切られては風生むよ

長き道短かき道をいまも胸に

無理からぬ話静かに夜を支え

時の流れにひとりうなずく黙つて黙つて

酒の肴がその顔をしてさからわず

甘さのいきにえにみずからを横たえ

  内孫生まれる(十月十四日)
オモチヤまだ早し陽の色あまねかり

みなのぞきこむ頬つとめて赤し