九月

ほんとらしく木曽路の屋根は石置いて

川素直に木曽路を洗いゆくりなく

山に染まり木曽路の娘連れ立つて

だしぬけに木曽路は川と出合うなり

道しるべなお語るらく木曽路来て

川の流れ木曽路に時の流れ持てり

トンネルにゆだね木曽路を抜け出すか

橋と人と木曽路の暮し倦まざりき

酒ふくむ木曽路静かに秋をまかせ

あせるなと木曽路にすすきゆるるなり