七月

夏草よ訃が待つ道をゆきにゆく

物言わぬもだえ遠くで汽車闇を走り

孫の眸が澄むへだたりを想いつつ

青すだれ未練のことばこもるなり

噴水の夜景静かに旅をする

夏の山城を前にし故郷なるぞ

こだわりを知る盃の小さくも

生まれ来るすべて気弱さを捨てる

朝の散歩齢をなだめてよき会話

はらからの笑いおさめて寝にゆくよ