1966-06-01 六月 月々の句 山にちらばる小さな湖 やまびこのたえてなき日を映すなり若き日を辿る杖両手が置かれ人生のいとなみ山を描く帽子戦火をよそに倖せの影が重なる人待ち顔の夏の妖しき湖に抱かれ暮れなずむ山の雨ひと登り来るかものをこそ想え山はかまえる冬ひつそりと忘れられ山の真珠山にのがれるいやしさよ湖どれも光り湖をめぐるひとに会うわれこそばゆき