五月

けちな男に果す義理ころがつて

自己嫌悪なまぬるき扇風機に吹かれ

過去拭いて壁の厚さをいまさらに

遠ざかる道としひとり月さがす

なだからな山ありこころそこに置き

勝ち負けにこだわる酔いをもてあそび

あきらめにおちいり老いの灯をかかげ

金融にめまい夏の陽むかつてくる

組みしかれぬぐうべき日をかぞえゆく

 五月八日、長男結婚
若き日に似しまなざしをとらえたり