1966-03-01 三月・四月 月々の句 表情の向うで逃げ道をこしらえ陰翳を濃くし一人の男生きる御し難き膝と思えて笑いやむ空白を埋めてゆく時計憎しと腹這いてこの掌は金によごれざるうつし世に物憂げな花咲いてやるほゝえみのまゝに星屑に手を出さない盃のむかしを想う弱さなりすつくと樹齢に並びたき心若やぎ告げたしと風ある墓の道にすがり