一月

夢を興せと雪降る降る見て倦かず

くたびれて黙つて紙幣に昏れはじめ

世間話の頑ぜなさ何か掴まえ

酔いかなし忘れ残りをそのままに

敵はない月の明るさにはもたれ

瞼ならでここに見る山住みつかせ

遥か孫胸うち夫婦やすらぐと

遠ざかるこの道ぬくき日を想え

雪をよぎる烏一羽こころ連れ立つて

起重機の大いなる運掴むかに