十二月

   雪は静かにこの宵を満しめよ


   降る雪の想いを正すことありき


   酔いのなかに閉じこめ齢を守りたく


   けものめく指のゆくえのはじらいや


   子の意見はしたなくまた明るかり


   政治わびしくてひとひとり去るばかり


   愚かしやものの怪に向く膝撫ぜて


   さよならを言える別れの痛く触れ


   思い見しかな月の夜を犬連れて


   おもかげを引き寄せて齢たしかめ