1965-11-01 十一月 月々の句 いじらしく土偶の乳房語るらく 髭伸びて政治の憎さ眠くなる 剃刀の刃のいらだちを磨き上げ ひとり飲む酒のおろかさゆだねたり 柿熟す拙なきまでに分別よ 齢を得し日の薬たり小粒てのひら 金策の夕陽を遠く描きたがり かなしみの涙ではない老いを拭く 石据わる頑くなに世を拒みたく 文化の日、松本市より芸術文化賞受賞 黄菊白菊この佳びの句に寝覚め