1965-10-01 十月 月々の句 あわれ男の夢結ぶよごれしか 齢の静かな欲望も一しよに眠り こころを読ませ木枯が奏でてゆく たたかいは了らないでいい足踏みして 気弱さにいて生きる身の酔いまわる 子はひとり飲みこちも飲み近付きたし まさぐれる惑いの闇のなまぬるく 傷をねぶりいちにちかくも暮れたがり 胸に敷くままならぬ図の拙なきや