六月

     長女、男子を儲く(六月十九日)

   里は信濃ぞ産みに来る手を揃え


   鳥啄む幸が子をもたらす描いてた


   吉報の朝はゆるぎなく明ける


   初孫と対面やすけき日を貰い


   言うほどのことならで静かな胸に


   おじいちやんと言われて真顔を撫ぜ


   ありふれた喜びのぞかれた想い


   子にならいその子臥す小さな宝


   継がるものがここにいていのちという


   おじいちやまおばあちやま甘くただにくすぐる