二月

   雪しきりに降る思い残した夢を見たく


   笑い合い忘れ合う些事まことめき


   肌とらえゆく老いの翳ひろまるよ


   大いなる遺産城の思いの遠かれや


   城高しいまも傷つく顔を並べ


   のぞみあるような雌雄の匂いたしかめ


   雪が来るから身の上ばなし前を向く


   老いの目覚めの明るさを知ろうとする


   紀元節が歩くおのれが嬉しくて


   よそのくにの戦意自分を験しに来る