1964-12-01 十二月 月々の句 雪に願いをかけるやわらかさ目にしるく 齢をいみじくも数え雪降りしきる ひた走るときなく今日を目の前に 雪音もなく去るひとの肩をとらえ 郷土色親を語つて降る雪で わが夢のひとつが潰え雪一面 負け犬のごとかぶる雪許しつゝ 雪はかなく消える果て民話拾わせ 死の深き意味を胸に雪降らしめよ 道祖神ちらつく雪に旅のゆくえ