1964-10-01 十月 月々の句 タクト怒りをこらえて落葉目にある 研いだ言葉に黄菊はいろを濃く 坂いくつ人生きるとき数えない 川風に散らさず聞かしたい嘘 民情を尽さず消えてゆく車 触れ合つた真実夢を描きゆく 男ありきこころ傷つく日の酒で 道はそこで切れ思い出を連れて来た 肌のそとで思いがつゞる齢を負い 気弱さにもたれ蝶タイ飛びたいか