七・八月

   晩酌へ重荷ともせぬ顔をして


   月明り傷つきやすい眉と見る


   忙しいからだそれでも臥せてやる


   よこたわる身のあじけなや遠き日々


   抱くすべを忘れこよなき蚊帳のなか


   齢を知ろうと思うかな妻も私も


   人の不倖せに涙を落とし夏の盛り


   水を呑む安けさかゝる日もありき


   もろきいのちとくずれぬいのち見て帰る


   子へ継がる意志は明るく強かれと