六月

   ちよこなんと齢の姿を浮き彫りに


   体験で生かせない齢抱きかゝえ


   肌の闘いに齢は疲れを呉れて


   馬齢こそ凡夫の宝めしをくらう


   捨てた故郷をいまさら古城もしやちこばり


   黙つてゝ齢を当てひとさびしがる


   齢をあわれがる夕涼み風のぞく


   別れの挨拶がいつも出来る齢光らせよ