1964-05-01 五月 月々の句 視野にぶく糧の重さが押して来た 遠き日や人をなだめて流れやまず あわれ地に伏してけものの夢あれや 憩い持つおんなの眉の細きとか あらそつてみにくき赤い舌は垂れ 遍歴の肌ならず見よ月動く 生きてこの寓話みじかく雨降らす 祈りにも似たり静かな雲をさがし 一椀にくずれる影をくち惜しと