1964-04-01 四月 月々の句 明日を持つ夜の挨拶か利く酒で 人のこゝろを読まれ書庫に梅雨めく 流れひそかに道をゆく男の肚 人は夢をこそまぼろしが立ちはだかり 悔いの夜をひそめいて春のいらだち 道はひとすじ善意の髭も白毛すこし 多数の声とぶつかり弱者を貰い なが〲と仰す真昼策ありとする 風景が飛びこんで来た軽いめまいよ 拾い読むものほしげななる或る時間