1964-03-01 三月 月々の句 長女嫁く 三月二十一日 手離す夢をいまぞ知る遠きつぶやき そゝくさと旅立つ子らは山と別れ 流れた齢を数えず嫁くはよしとす 祝福をあつめくれないの色を想う ひとみな倖せをいう涙ぐむか あゝ海に描く新妻となる日を生むよ どつかと坐り子がいない安堵のおごり のがれ得ぬ子の愛のほのかにわびし 酔いをひとりして子を嫁かしめよ 波静かなる地ふたつの顔かさなる