一月

   願いいくつよみがえるごと手に掬う


   吉きことの日もあれ齢しみ〲と


   果たし得ぬ言葉たり雪降り倦かず


   子は大人流るる時を見るべきか


   いたずらに人を憎まず枕する


   友の死の遠き貌ぞ冬そこに置く


   もろき夢ならで歩む日の来れや


   嫁く日かぞえこの家の翳をむしる


   愚かしき親をつづけ子の声徹く


   子に囲まれ人として酔いを遅れず