1963-09-01 九月 月々の句 旅とわれは 縋る身がみちのくの夜の秋にしずめ 津軽と下北の間の海を渡る星 果てと思い来てなつかしや顔並ぶ 石中先生と会いたし旅は気散じな ねぶた幻想土のぬめりの人くさし 雨ぞ降る十和田湖の名を求めゆく せせらぎの名札目に入る旅愁なり 裸婦像のほどほどに濡れわれも濡れ ひたすらに旅の想いを湖で聞く 遠く来て湖の別れの灯が点いた