七月

   旅人として濡れ給いどじよう汁


   どじよう汁名あるひと名をかくし得て


   ゆくすえをゆだねる膝かどじよう汁


   やすらぎのひと知れずこそどじよう汁


   どじよう汁遠くに雨を煙らせる


   小娘の帳場にしずむどじよう汁


   どじよう汁ふるき名残りをくぐりゆく


   のぞみ持つ顔てらてらとどじよう汁


   どじよう汁うす暗がりを目に乗せて