1963-06-01 六月 月々の句 しめやかに葬る人かず山へ向い ここに住む想いしずめて山近し 言葉足りず山肌の蒼深まさり 山の見える町駅辨の声をさがし トンネルいくつ果てある旅も嬉しかり 電柱は山に消え生き当てるべく 高山植物そのまま雨は頬を濡らし 山を愛す人生もまたそこにあるか わさび畑水冷たくて山を恋し 山好きな子を持ち足らぬ朝の目覚め