1963-05-01 五月 月々の句 ひとの善意の底にある酒のしずく 一枚の絵は強いることいま忘れ 蝋燭の灯のゆれにさえ目を覚ます 子が大きくわが胸うちをとらえゆく いたずらにこころの角をぶつつけ合う 厨の音の正しくて子を並べ この闘いの向う鳥に草に名はありき 親ちぢこまる歳にあり笑つてしまう 尾を垂れかけ静かな道を画かせる 寝に返るほんとの言葉それお聞き