一月

   川柳家救いのなかで言いつのり


   とまどいの向うで枯野ひきしまる


   もののかずにならで美しや過ぎゆく日


   子の齢のあきらかにわれに映りくる


   悔いの底の眠りに就くまた寝覚め欲し


   いそいそと相手の夢もめくつてやる


   見付けた言葉に縋つて雲の流れや


   男のさがにしてやられ酒をあたため


   淡いたそがれ人生きるまことめき


   時に病まれなお語に病まれ川柳家