1962-08-25 八月 月々の句 知りすぎた昔で牛鍋が煮える 肩がないほどに酒仙詩をそらんじ 胃袋をなだめ小さな闘いよ 巧まざる抱負のなかで国をさがす 想いをこめし野糞たり月は遠きや ぬけぬけと人生語録いま並べ 善戦に素知らぬ昼の月がある 秋を置く罪よりのがれんとする身に いじらしき情緒男が首を垂れ 傷をなめて言葉なけれど思い湧く