1962-06-25 六月 月々の句 盃を拭くはしなくも他人なり 盃をいただくばかりここも泳ぎ 缼けた盃死ぬほどの顔がある 盃をおもたがるこの心の掟 古い義理を果す盃くらべてる よこしまな胸に盃強いて強いて 男の盃が読むそんなへだたり 膨らむ心に盃がころげてく ふるさとを消す盃に雪が降るか 妻の盃におんなを知るおののき